小田原日和|海とまちに出会う、よりみち散歩
2026.06.29

城下町の歴史と海辺の景色が心地よく寄り添う小田原。桜や新緑、海風が気持ちいい季節はもちろん、四季折々の表情を楽しみながら歩けるのも、このまちならではの魅力です。
小田原城をはじめ、御幸が浜や龍宮神社などの名所、炭火の香りが食欲をそそる干物スタンド、暮らしに寄り添う小さなお店まで。観光地としてだけではなく、地元の日常が息づく風景との出会いも、このまちを歩く楽しみのひとつです。
少しだけ遠回りをしながら、自分だけのお気に入りを探してみませんか。きっと何度でも訪れたくなる、小田原の魅力に出会えるはずです。
小田原のネパール料理「The Himali Kitchen」|スパイス香る本格アジアレストラン
城下町で出会う、
ネパール料理のやさしくて香り立つ一皿

小田原城からほど近く、本町の路地に佇むネパール料理レストラン「The Himali Kitchen」。2025年11月にオープンしたばかりの一軒ながら、すでに地元でじわじわと評判を集めている。


扉を開けると、スパイスの香りと温かな空気に包まれ、まるで旅先の食堂に迷い込んだような気分に。今回撮影したのは、ネパールの定番料理「モモ」。鶏ひき肉を使ったジューシーな餡に、ピリッとスパイスの効いた特製ダレがよく合い、ひと口食べると箸が止まらなくなる味わいだ。
お酒のお供としても相性抜群。一方で、対照的な魅力を放つのがハニーチーズナン。

ナンを割ると中からとろりと溶け出すチーズに、はちみつのやさしい甘さが重なり、満足感のある一品に仕上がっている。
カレーやガパオなど多彩なアジア料理も揃い、何度訪れても新しい発見があるのも魅力。店前の小さな畑ではパクチーなどの野菜を自家栽培しており、料理へのこだわりが伝わってくる。

ネパール出身のオーナー、スバルナさんは登山やトレッキングを愛し、8000m級の山々を登頂した経験を持つ人物。箱根のホテルで培った経験も、この店の確かな味を支えている。小田原城の桜を楽しんだあと、気軽に立ち寄りたい一軒だ。
The Himali Kitchen
小田原市本町3-11-24 離れ
Tel.090-8185-1516
営業時間:11:00ー21:00
不定休

小田原の海が見えるカフェ「やまじょう」|老舗かまぼこ店が手がけるレストラン
城下町の先に広がる海と、
老舗蒲鉾がつくるやさしい一皿

浜町に店を構える「CAFE&RESTAURANT やまじょう」は、創業明治11年の老舗・山上蒲鉾店が手がけるカフェレストラン。2022年9月のオープン以来、小田原らしい食文化と風景を、ゆったりと味わえる場所として親しまれている。
大きな窓の向こうに広がるのは、きらきらと光を反射する海。やわらかな自然光が差し込む店内は、木のぬくもりに包まれ心地よさが静かに溶け合う空間だ。今回撮影した「やまじょうワンプレート」は、老舗・山上蒲鉾店が長年大切にしてきた“素材を活かすものづくり”が、自然と伝わってくる一皿。
無添加の練りものは、魚の旨みがすっと広がり、食べ進めるほどに心地よさを感じさせてくれ、丁寧につくられていることが伝わる味わいだ。
店にはほかにも、蒲鉾を使ったカレーやパスタなど、思わず「こんな料理にも使えるんだ」と驚くメニューが揃う。
魚の旨みがベースにあるからこそ、洋食やエスニックとも相性がよく、重たくなりすぎないのも魅力。
老舗の味を今の食卓に心地よく落とし込んだ、やまじょうならではの楽しみ方が広がっている。
小田原近郊の無農薬野菜を使う姿勢にも、この店らしい誠実さが表れている。


地元・瀬戸酒造店の日本酒なども揃い、海を眺めながら楽しむ昼呑みもまた格別だ。城下町の面影が残るかまぼこ通りを歩き、潮風を感じながら辿り着く時間も含めて、ゆっくりと味わいたい一軒だ。
Cafe & Restaurant やまじょう
小田原市浜町三丁目16-12 工場2F
Tel.0465-24-5034
営業時間:11:00~16:00
定休日:火曜日・水曜日

小田原宿なりわい交流館|城下町でひと休み、歴史と体験に出会うスポット
小田原の営みを歩いて知り、
触れて楽しむ場

小田原城からほど近く、城下町の記憶が色濃く残る本町エリア。その一角に佇む「小田原宿なりわい交流館」は、昭和7年に建てられた旧網問屋を再整備し、市民や観光客が気軽に集える“まちのお休み処”として親しまれている。
外観に見られるのは、小田原の商家に多く用いられた「出桁(だしげた)造り」。軒先に力強く伸びる梁が、かつてこの地で営まれてきた商いの歴史を静かに物語る。1階は誰でも無料で立ち寄れる開放的な空間で、観光マップやパンフレットを手に、街歩きの合間に一息つく人の姿も多い。


2階のイベントスペースでは、ワークショップや体験企画が開かれ、建物は今も人の営みとともに息づいている。なかでも注目したいのが、交流館を起点に周辺を巡る「東海道小田原宿まち歩きツアー」。
ガイドの案内で松原神社や海へと続くトンネルなどを巡りながら、宿場町・小田原の成り立ちやなりわいを楽しく学べる。また、折りたたみ可能な蛇腹形が特徴の「小田原ちょうちん」製作体験も人気のひとつ。旅の思い出を形に残せる体験として、大人から子どもまで楽しめる。歴史を“見る”だけでなく、“歩き、触れる”ことで身近に感じられる場所だ。
小田原宿なりわい交流館
小田原市本町3丁目6−23
Tel.0465-20-0515
営業時間:10:00~17:00
定休日:12月29日〜1月1日
入館料無料

小田原で出会う、トンネルの先の海|御幸の浜海岸
トンネルの先に広がる
やさしい海の時間
路地を抜け、西湘バイパス下の小さなトンネルをくぐると、視界いっぱいに海が広がる。ここが 御幸の浜海岸 だ。
明治6年、明治天皇と皇后がそろって漁夫の地引網をご覧になったことから名付けられた由緒ある浜で、小田原の人々に長く親しまれてきた。夏は海水浴客でにぎわうが、シーズンオフの今は、波音を聞きながら思い思いに過ごせる穏やかな時間が流れる。
遠くには三浦・房総半島を望み、足元では力強い波が砕ける。

トンネル越しに切り取られた海の景色は、思わず写真に収めたくなるほどフォトジェニックで、「魔法の窓」とも呼ばれる人気の風景だ。小田原駅から歩いて15分ほど。街歩きの延長で出会える、開放感あふれる海辺である。
小田原の喫茶店「ケントスコーヒー」|ネルドリップで味わうやさしい一杯
変わらない手仕事から生まれる、
深くやさしい一杯

海へと続くトンネルのほど近く。小田原の街を歩いていると、ふと足を止めたくなる一軒がある。1986年にオープンした「ケントスコーヒー」は、コーヒーとともに歩んできた時間そのものが、店の空気として静かに満ちている場所だ。


7年前に現在の場所へ移転してからも、その佇まいは変わらない。木の棚に並ぶ本やレコード、年季の入った焙煎機や抽出器具。


どれもが、この店で重ねられてきた日々を物語っている。店主の平井さんは、コーヒーに携わって50年。実は「小田原宿なりわい交流館」の館長でもあり、東海道小田原宿の街歩きガイドとしても、この街の歴史や営みを伝える存在だ。


そんな平井さんが淹れるコーヒーは、どこか人柄を映すようにやさしい。抽出に使うのは、創業当時から変わらず「ネルフィルター」。布ならではのまろやかな口当たりを大切にし、今も一杯ずつ丁寧に淹れている。

豆は自家焙煎。焙煎機から立ちのぼる香りが、店内に静かに広がる時間もまた心地いい。8時間かけてじっくり抽出する水出しコーヒーも、この店ならではの一杯。
すっきりとした後味のなかに、深いコクが残る。街の歴史を語り、日々の一杯を淹れる。その積み重ねが、ケントスコーヒーの変わらない魅力だ。
KENTOS COFFEE
小田原市 本町3-4-21
Tel.0465-25-4491
営業時間:12:30ー17:00
不定休

小田原・かまぼこ通りの雑貨店「sent.」|暮らしに寄り添うセレクトショップ
暮らしの余白に、そっと寄り添うもの
何気ない時間も心地よく

かまぼこ通りを歩いていると、ふと視線を引き寄せられる静かな佇まいの一軒がある。生活雑貨を中心に扱うセレクトショップ『sent.(せんと)』だ。オーナーの秦さんは、もともと小田原・緑町で店を構えていたが、2022年11月に本町へ移転。観光のにぎわいと日常が交差するこの場所で、あらためて「暮らしに寄り添うもの」を届けている。


店内に並ぶのは、「なくても困らないけれど、あると暮らしが少し楽しく、豊かになるもの」。そんな視点で選び抜かれた生活雑貨や道具たちだ。素材の風合いを大切にした器や、使うほどに手になじむ布もの、思わず手に取りたくなる小物まで、そのひとつひとつに秦さんの確かなセンスが感じられる。

作家による手仕事の品も多く、量産品とは異なる表情や温もりが、空間にやさしいリズムをつくっている。また、月に2回ほど開催される食にまつわるポップアップも、この店の楽しみのひとつ。訪れるたびに新しい出会いがあり、暮らしのヒントを持ち帰ることができる。



日々の延長線上にありながら、少し視点を変えてくれる場所。sent.は、そんな“暮らしの余白”にそっと寄り添ってくれる存在だ。
暮らしの雑貨 sent.
小田原市本町3-1-6
Tel:050-3696-6105
営業時間:11:00ー17:00
定休日:日曜日・月曜日+不定休

小田原城すぐ、炭火で味わう干物スタンド|himono stand hayase
老舗の味を、炭火とともに頬張る
気軽に味わう、出来たて干物

小田原城から徒歩4分ほどの場所に店を構える「himono stand hayase」。老舗干物店「早瀬のひもの」が、長年培ってきた味を出来たてで楽しんでほしいという想いからオープンしたスタンドだ。


店に足を踏み入れると、炭火で焼かれる干物の香ばしい匂いがふわりと漂う。ここでは、店内で丁寧に焼き上げた干物を、ご飯の上に大胆にのせた弁当をはじめ、干物を主役にしたフィッシュバーガーなどを提供。


干物の旨みを気軽に味わえるスタイルは、観光客はもちろん、地元の人からも支持を集めている。なかでも目を引くのが「小田原スペシャル弁当 あじ開き」。さば醤油干し、さば文化干し、あじ開きの三種に、練り物四種を添えた、早瀬の魅力がぎゅっと詰まった一品だ。

炭火ならではの香ばしさと、魚本来の旨みが重なり、箸が止まらなくなる。この他、フィッシュバーガーも炭火で焼いた干物の風味を生かした満足感のある味わいで、干物の新しい楽しみ方を教えてくれる。弁当や食事だけでなく、アルコール類も充実しており、観光の合間に軽く一杯楽しむのもおすすめ。

さらに、お持ち帰り用の干物も豊富に揃い、気に入った味を自宅で楽しめるのもうれしい。老舗の技と小田原の食文化を、今のスタイルで味わえる場所だ。
himono stand hayase
小田原市本町3-12-21
Tel:090-3168-1291
営業時間:11:00~16:00
定休日:火曜日

小田原・かまぼこ通りのジェラート店「龍宮堂」|地元素材で味わうひんやり甘味
懐かしさと新しさが出会う
かまぼこ通りのひんやり甘味

かまぼこ通りの千度小路。海へと続くトンネルのすぐそばに佇む「龍宮堂」は、ジェラートを通して小田原の魅力を伝える一軒だ。
もともとは干物屋の倉庫として使われていた建物をリノベーションし、外観には地元木材を用いた和の表情を、内観には倉庫の造りを活かしたシックな雰囲気を残す。

どこか懐かしく、それでいて新しい。そんな空気が店全体を包んでいる。店長の小西さんがこの場所に込めたのは、「小田原城観光だけでなく、かまぼこ通りにも足を運んでほしい」という想い。
ショーケースに並ぶジェラートには、その気持ちがまっすぐに表れている。小田原産のいちごや足柄茶など、地元ならではの旬の素材を使い、ひとつずつ丁寧に手作りされている。自然な甘みとさっぱりとした後味、なめらかなくちどけは、初めての人にも親しみやすく、気づけばもう一口と手が伸びる。


ジェラートと並んで人気を集めているのが、「小田原ゴロゴロみかん氷」。ひんやり冷たいかき氷に冷凍みかんをたっぷりと合わせ、仕上げに特製のバニラジェラートを添えた一品だ。果実の爽やかさとやさしい甘さが重なり、暑い日にも心地よく染み渡る。


小西さんは、ただ甘味を提供するだけでなく、訪れる人との会話やつながりを大切にしていきたいと話す。地元への愛情が、味と空間の隅々にまで息づいている店だ。

手作りジェラート専門店 龍宮堂
小田原市本町3-4-20
Tel.0465-87-7496
営業時間:11:00~16:00
定休日:木曜日(3/19までは土日祝のみ営業)
営業日の詳細はインスタをチェック!
小田原で、自分だけのよりみちを。
小田原には、有名な観光スポットだけではなく、何気ない路地や海辺の景色、地元の人に愛されるお店など、歩いてこそ出会える魅力がたくさんあります。
予定どおりに巡る旅も素敵ですが、ときには気になる道へ足を向けてみるのも、小田原らしい楽しみ方のひとつ。
このページが、あなたらしい小田原散策のきっかけになれば嬉しいです。
また新しい「よりみち」を見つけに、小田原へ訪れてみてください。
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