木桶で仕込む 創業170余年の味噌蔵がつくる味噌

2021.11.18

『加藤兵太郎商店』といえば、小田原では知らない人がいないほど有名な老舗味噌蔵。創業一七〇年という長い歴史を持ち、地元民には 「いいちみそ」の製造元として親しまれている。

小田原市内を中心にスーパーや飲食店、洋菓子店などでも取り扱われ、最近では県外から声がかかることもあるほどの人気ぶりだ。

このいいちみその特徴は、ほとんどの工程を手作業で行なっていること。

「味噌を手造りするのは非常に大変です。大量生産もできませんし」と話すのは七代目の加藤篤さん。しかしこうした作り方が、他の味噌にはない繊細かつ個性的な味わいを生み出すのだという。

味噌の味や風味には、九〇年以上使用する木桶も一役買っている。長年使用する木桶には酵母菌が住んでおり、熟成させるなかでコク深くもまろやかな味噌にしてくれるのだとか。


現在は八種類の味噌を仕込んでいるというがその中でも加藤さんのおすすめは「白みそ」。大豆を多く使うことで風味豊かに仕上げており、クセがなく食べやすいと太鼓判を押す。

厳選した原料と箱根山系の美味しい地下水で仕込み、木桶で熟成させる。シンプルがゆえに美味しいスローフードが今も昔も変わらず、小田原の食を支えている。

INFORMATION

加藤兵太郎商店
小田原市扇町5-15-6
Tel:0120-34-7190

https://iichimiso.com